研究開発体制

創発研究センター

研究の目的

メッシュは構造体として捉えた場合には、物質の制御や変化をもたらす、可能性の大きな物体です。ナノ粒子との組み合わせやメッシュ自体のナノスケール化、表面変化による機能性の研究を通して、医療や環境など課題を抱えるさまざまな分野での実用化、課題解決を目指しています。

メッシュの機能性の飛躍。キーワードは「ナノテクノロジー」

メッシュに機能性を持たせられないか。この研究から生まれたのがナノ粒子固定化技術「ナフィテック®」です。さまざまな形状のものに、ナノ粒子の表面積を損なうことなく均一に粒子を付着させることができ、粒子の機能性を最大限に発揮することができます。光触媒や殺菌、有害物質の分解、消臭、防汚など、粒子の機能によって用途は限りなく広がっています。また、ナノスケールのメッシュの開発にも取り組み、ウイルスの除去、DNAの研究など、新しい可能性を模索しています。

機能性ナノ粒子の用途はメッシュにこだわらず

私たちが開発したナフィテック®は、メッシュのような複雑な形状の素材にも均一にナノ粒子を固定化することができる技術です。用途は多岐に渡ると予想され、医療や環境の分野では触媒を利用した殺菌・分解などの効果を、建設・土木などの分野では防汚効果を、衣料や建材などには消臭効果をと、その効果ごと多彩な製品に利用することができます。

ナノ粒子の効果を最大限に Nafitec®

研究開発本部が開発したナノ粒子固定化技術。

新たな施設「ウイルスラボ」を設置

医療は実証データの獲得や各種試験を外部機関に依存してばかりいては、開発に時間のかかる分野でもあります。開発スピードの向上と市場拡大を図るため、私たちはウイルスラボを自社内に設置。これにより固体でのウイルスの分解を実現した高性能マスクなど、さまざまな製品の市場投入に成功しはじめています。

Cufitec® キュフィテック

マスクからの感染を予防するためにウイルスを固着し、99.9999%不活性化。

織物の構造体としての研究をスタート

メッシュ=織物ですが、構造体として考えると大きな可能性を持った物体です。設計的なアプローチができれば、複合的なフィルターなどに利用でき、不織布などの糸径にバラツキのあるフィルターに比べ品質のバラツキもなく高精度なろ過が可能となります。産業用部品としての実用化をめざして研究に着手しました。

大学や研究施設のシーズをニーズに。企業として実用化へ

社会に貢献するシーズを大きな産業につなげていくために、古今の論文からの情報収集と研究者へのアプローチ、大学や研究施設との共同研究になどに積極的に取り組んでいます。現在6つの大学と音や生物、触媒、繊維などの研究を進めています。質の高い研究成果は学会、展示会などでの情報発信、営業活動を通して実用化の迅速化を図っています。